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教育の現場における義務と権利

昨今、教育の現場では教師による生徒への体罰の是非が問われています。もちろん、理由もなく生徒を指導する根拠にもならない体罰は許されません。しかし、生徒の将来を考えて社会人として正しい道を歩めるようにという意図をもってなされる体罰はあながち否定されるものではありません。口頭で何度説明しても説得しても生徒が指導に従わない場合、特に暴力行為をもって反抗している場合は、教師の体罰も止むを得ないと思われます。いわゆる愛の鞭がその存在を危うくしている理由の1つに、教育の現場で果たされるべき権利と義務の不明瞭さがあるのではないでしょうか。簡単な例でいうと、出された課題を期限を守って提出するという義務を生徒が果たさずに、授業内容や教師の指導方針に生徒および保護者が異議を唱えているような事例が多いような気がします。これは単に教室の中の問題ではなく、その生徒が社会に出てからの行動にも影響を与えます。生徒としての義務と権利、教師としての義務と権利、これらが明確になっていないことが今日の体罰問題につながっていると言えるでしょう。

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